【体験談】もうここまでなのか?57歳で知った転職の現実…

今回インタビューさせて頂いたAさん。
メガバンクに29年勤務し、54歳で関連会社の保険代理店へ転職。銀行員時代には、金融派生商品の開発や提案営業、融資業務を経験。10年以上の管理職経験を持つ。
現在は菓子卸売業の部署長として勤務。専門性が高く、マネジメント経験が豊富な中で、57歳を目前にした転職の現実とは…
これまでのご経歴を教えていただけますでしょうか

メガバンクに29年勤務した後、関連会社の保険代理店に転職し、3年9ヵ月勤務した後、現職の菓子卸売業に再度転職しました。メガバンクでは本部を約20年勤務し、支店を約9年勤務しました。本部では金融派生商品の開発、提案営業、ディーリング、マネジメントに従事しました。
支店では外為、融資、外交業務を経験しました。また、保険代理店では、法人取引先の従業員に対する個人向け保険営業担当、及びマネジメントに従事しました。最初の転職は54歳の時で、2回目は57歳の時です。
最初の転職先は給与は満足いく額でしたが、メガバンクでは10年以上管理職に携わっておりましたので、与えられたポストや待遇にどうしても納得がいかず、新たに転職して管理職のポストに就きたいと考えるようになり、2度目の転職活動を始めるようになった次第です。
現職では、管理本部の部署長としてマネジメントの他、経営企画、総務、経理、採用等幅広い業務に従事しております。
転職活動はどのように始められましたか?
まずビズリーチに転職希望と連絡し登録することから始めました。その後、インディードやリクルートエージェントにも登録しました。人材紹介会社を通じて自分の希望に合う転職先を探すことから始めました。
ビズリーチやリクルートエージェントでは、どのようなサポートが印象的でしたか?

紹介案件を毎日のように送っていただきました。世の中には、こんなに多くの求人があるのだと思いました。
実際に自分が応募できる案件が数多くある反面、そこから自分にあった求人を客観的に探してもらえるのが転職エージェントを利用するひとつのメリットになるかと思います。
そこからなぜ苦労するようになったのでしょうか?
57歳という年齢では、なかなか希望していた年収の管理職のポストが見つからず、苦労することになりました。自分では今まで培ったキャリアなら、すぐに見つかると思っておりましたが、現実は厳しく、管理職のポストを求めると年収が合わないケースが多く、転職は難航しました。
また、私のスキルが金融の専門分野に偏っていたことも難航した原因だと思います。一般的に総務、経理、企画、営業、人事の募集が多く、金融以外の業務経験が無いため、思っていた以上に転職活動は難航しました。
管理職以外のポスト見つけることは考えませんでしたか?
管理職に就きたい理由で転職活動を始めたので、管理職以外なら現職のままでも困らないため考えませんでした。転職エージェントも、特に何も言われませんでしたし、紹介案件も年収は低かったですが提案はありました。
転職活動が長期化していく中、どのような心境でしたか?
転職活動が長引くに伴い、やはり今の年齢では、希望の年収や管理職ポスト通りの転職先を見つけるには大変厳しいと実感しました。
ポストを優先すると希望年収通りは難しく、半ば諦めかけていました。実のところ、私のサラリーマン人生はこのまま終わるのかと思い始め、だんだん虚しく感じるようになりました。
転職期間が長引く中、どのような対策をされましたか?

このまま人材紹介会社に頼っても、なかなか見つからないので、メガバンク時代の先輩や同僚に相談しました。
要は、今まで培ってきた自身の人脈に頼ることに決め、少しでも可能性があるなら、相談してみようと思い、メガバンクを退職し新たに転職されている方々に連絡を取り、相談することにしました。
すると暫く経ったある日、先輩が今の会社を辞めて、実家の会社を継ぐことになり、後任として転職しないかと声をかけて頂きました。そこから順調に面接を合格し、晴れて転職することが出来ました。
おめでとうございます。新しいチャレンジだと思いますが、ご自身のどのようなところが評価されたのでしょうか?
転職先が求めている要件に合っていることが評価されたのだと思います。要件として、グループ企業のCEOと上手くコミュニケーションが取れる人格であること、金融スキルがあること、管理職経験とマネジメントスキルがあることであったと記憶しております。
年収をある程度妥協できるほどの魅力を、どこに感じましたか?

やはり、年収がある程度下がっても、部署長というチームを任してもらえるポストに就けれることに魅力を感じました。
自身の今まで培ってきたマネジメントのスキルと経験を活かして、チーム運営を再びやりたいという思いが強かったためです。あと年収は必ず上がっていき、取り戻せると確信はしておりました。
転職活動を振り返って、50代の転職が難しい理由は何だと思いますか?
転職活動はトータルで約1年半行っていました。転職活動を振り返ると、60歳定年の会社が多く、転職を受け入れても、あと数年で定年を迎える社員を積極的に採用する方針の会社が少ないためだと思います。
もし一般的に65歳や70歳が定年の会社が多ければ、転職後の勤務年数も長くなるので、50代の転職に対しても積極的に受け入れる方針の会社が増えると思います。
また、私自身のスキルや経験が専門的な金融関連に偏り過ぎて、一般企業が広く求めている業務に合わなかったことも理由の一つだと思います。
管理職スキルだけでなく、総務、経理、企画、人事、営業等一般的且つ幅広い業務経験とスキルが有れば、もっと採用してもらえる会社も多いと思います。
あと、年収が高く管理職ポストと言う条件は特に50代後半では厳しく、私自身高望みだと実感しました。特に年収はある程度妥協しなければならないと思います。
最終的に転職できた理由は何だと思いますか?

最終的には、メガバンク時代の先輩の後任として転職出来ましたが、管理職ポストに就くことを優先し、年収はある程度妥協しました。特に50代後半での転職は条件の高望みは禁物で、年収とポスト、自身の経験やスキルのバランスである程度妥協しなければ転職は難しいと思います。
ただ、年収が下がっても例えば70歳まで勤務するなら60歳定年で終わるよりも、勤務年数の長さでトータルで年収減少分は取り戻せると考えるべきだと思います。
あとは、人材紹介会社だけに頼らず、私のように今まで培ってきた人脈の活用は有効かと思います。また、決してあきらめず、粘り強く転職先を探すことも大事だと思います。
50代が転職活動をする場合、いつ、どのような準備を始めるべきだと考えていますか?
もし、50代で転職を考えるなら50代前半の早いうちに、いつ、どんな業種の会社に、どのような仕事に就きたいのかといったセカンドキャリアプランを考え、早期に転職活動を始めることが肝要です。遅ければ遅いほど、転職した後の勤務年数が減るため、段々と不利になります。
また、準備としては就きたい仕事のスキルが無ければある程度勉強して面接に備えることが必要だと思います。あくまで面接用の勉強で充分で、実際には転職後に実務を経験すれば遅かれ早かれスキルは身につきます。
ただ転職後に苦労したく無ければ、総務や企画なら通信教育、経理なら簿記を勉強しておくことをおすすめします。今は、実践の中で経理、総務、経営企画の業務スキルを習得しましたので、もし今後転職することになっても、自信があるので不安はありません。
